復元納棺師

 先日小学校で読み聞かせをする本を探しに近所の図書館へ行った時、気になる本を見つけました。笹原留以子さんの『おもかげ復元師』と『おもかげ復元師の震災絵日記』です。

 復元師とは、ご遺体の損傷を元の姿に戻す技術を持ち、ご遺族とのお別れの手助けをしてくれる方です。  遺族の方も目をそむけられてしまう苦悶の顔や、損傷の激しい遺体を生前の笑顔の遺体に近づけてくれるそうです。

 そんな、 復元師をされている笹原さんの復元師としてのエピーソードを200ページ余りに綴ったのが『おもかげ復元師』です。その本には東日本大震災でボランティアとして活動した経験談もあり、その時復元された方の短文エピソードとやさしいタッチの似顔絵を絵日記風に書いたのが『おもかげ復元師の震災絵日記』です。

 是非、本の方を読んで欲しいので、詳しい内容は書きませんが、テレビのニュースでは分からない震災の現場の現実と笹原さんの優しさと、強さがにじみでた内容に心揺さぶられる本です。 遺体を見る目もちょっと変わりそうです。

 絵日記の方は、小学生低学年にはちょっとチョッキングかも知れないけれど、高学年の子どもたちには読んで欲しいなと思いました。読み聞かせは、きっと難しいですが(涙が...)。

 

 ひとりでそっと読んでみてください。 

『おもかげ復元師』(ポプラ社)
『おもかげ復元師』(ポプラ社)
『おもかげ復元師の震災絵日記』(ポプラ社)
『おもかげ復元師の震災絵日記』(ポプラ社)