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会員生協探訪記 19

2011.3.5(土) 【高齢者福祉生協】


高知県高齢者の主張

高知県高齢者福祉生協(ふくし生協)の主催で、第7回高知県高齢者の主張大会が開催されました。会場となった高知城ホールでは100人を超える参加者が、発表者の話に熱心に耳を傾けました。

 ふくし生協は、「寝たきりにならない!しない!元気な高齢者がもっと元気に!」をスローガンにして、高齢者が主人公になり、「仕事おこし」「福祉」「生きがい」の3つを事業、運動の柱にして活動を行っています。「高齢者の主張大会」も、高齢者が支えられるのではなく社会を支える側に変わっていくために、高齢者が果たせる役割の一つとして、次の世代に向けて自分の体験や知恵をどう伝えていくか、という狙いで開催されているそうです。

 今回、9人の方が「生きがい」「私の健康問題」「高知大空襲」「親の介護」などのテーマでご自分の体験や考えを、持ち時間の10分間をフルに使って発表していました。

「自分らしいお葬式」というテーマで発表した方は、父親の生前の意思に基づいて葬式を身内だけで無宗教で行った経験のなかで、父親の意思を尊重するために家族が協力したこと、父親の死に臨む姿に家族それぞれが学ぶことがあったことなどが話されました。また、別の発表者は、ビキニ環礁での核実験に関する本を読んで、ビキニ被爆した父親の気持ちを理解できた、真実を知ることは生きる力になると語り、現在携わっているエステの仕事について「エステは美容と健康に関わる仕事。自分の持ち場でベストを尽くしていれば、社会貢献もできると思う。最近、福祉やメンタルケアの世界でも美容の効果について関心を持ち始めているのがうれしい」と発表していました。

▲岡田理事長による開会挨拶
▲岡田理事長による開会挨拶
▲発表者から熱い「主張」が会場に向かって語りかけられました。
▲発表者から熱い「主張」が会場に向かって語りかけられました。

審査委員長が講評のなかで「それぞれの人生の奥深さに感動した」とおっしゃったとおり、どの方の発表も感銘深いもので、審査員の方々も、順位をつけるのにずいぶん苦心したようです。ふくし生協の曽我専務は「これまでいつも裏方ばかりしてきて今年はじめてゆっくり聞いたがですけど(笑)、正直、感動しています。発表者や参加者を集める苦労はあるけれど、やはりこういう機会をさらに続けていかないといけないと改めて思いました。事業・運動と、こういった取り組みがどう結びあっていくのかが課題。また、偶然ですが、何人かの方の発表の中でふくし生協との関わりが出てきた。その人の人生の中で役に立ってくれたことがうれしいですね。」と話してくださいました。

たまたま私の隣に座った女性が発表者の一人と昔の職場仲間だそうで、「発表している姿をみて、同僚として心ひそかに誇りに思っている」と、こっそり話してくださいました。「高齢者の主張」を発表する皆さんの元気は、確実に、聞いている人たちの中に広がっているようです。

(S)

▲ふくし生協の職員さんによる代読での発表もありました。
▲ふくし生協の職員さんによる代読での発表もありました。
▲9人の発表者。最高齢は87歳。歳少年は自称「新米高齢者」の60歳。
▲9人の発表者。最高齢は87歳。歳少年は自称「新米高齢者」の60歳。
▲発表の合間には、ふくし生協の組合員さんも参加するフラダンスや津軽三味線で楽しみました
▲発表の合間には、ふくし生協の組合員さんも参加するフラダンスや津軽三味線で楽しみました