ホーム ▶ 会員生協探訪記一覧 ▶ 24いきいき百歳体操

会員生協探訪記 24

2011.6.27(日) 【高知県庁生協】


毎週続けてもう5年! 県庁生協の「いきいき百歳体操」

高知県庁消費生活協同組合で「いきいき百歳体操」が行われていると聞いて、お邪魔してきました。「いきいき百歳体操」は高知市が高齢者の介護予防のために考案した体操で、重りとなるバンドを手首や足首につけて運動を行うことで、筋力・バランス能力を高めることができます。2006(平成18)に県庁生協が介護福祉センターを稲荷町の配送センターに開設したところ、高知市東部地域高齢者支援センターしんぼり出張所から「いきいき百歳体操をやってみませんか」という話をいただいたそうです。「いきいき百歳体操」は、地域では公民館などでよく行われていますが、この地域は独居老人が多いにも関わらず、開催場所が殆どなかったようです。

▲高知県庁生協の介護福祉センターと配送センター(稲荷支所)
▲高知県庁生協の介護福祉センターと配送センター(稲荷支所)

 

 

▲介護福祉センターに集まって「いきいき百歳体操」をする地域の高齢者の皆さん(手首に重りの入ったベルトを巻いています)
▲介護福祉センターに集まって「いきいき百歳体操」をする地域の高齢者の皆さん(手首に重りの入ったベルトを巻いています)
▲足を上げる運動。ベルトは足首に。重さは一人一人の体力に合わせて調節しています。
▲足を上げる運動。ベルトは足首に。重さは一人一人の体力に合わせて調節しています。

 現在、毎週月曜と木曜にそれぞれ10人前後の方が集まって、ビデオを見ながら「1、2、3、4・・・」と体操をしています。県庁生協介護福祉センターの職員さんは、福祉事業の電話対応や事務作業の合間に、「次の運動は少しきついですから無理せずにやってください」とか、「次の運動のポイントは足首を上げることですよ」という風に、参加者の皆さんに心を配っています。参加者に伺うと「この体操は、座ったままでできるから本当にいい」「ヨガもしていたけど、ここに来るようになってからイスから立ち上がるのも楽になった」と体操の効果も上々。「ここ(県庁生協の事業所)ができて良かった、それまで行きよったところは遠かった」という方もいて、確かなニーズがあるようです。

「いきいき百歳体操」をしても生協に事業収入があるわけではなく、いわばボランティアですが、続けていくのは大変ではないのでしょうか? 県庁生協の居宅介護支援事業所管理者の下村さんに伺うと「このあたりには地域の集会所もあまりないので地域貢献になるかな、と思っています。最初のうちは、生協の職員が付きっきりでしていましたが、今では、参加者が自立してやってくれているんで助かります。参加者が自立しつつ、つながりもつくられている」とのこと。県庁生協の訪問介護事業所管理者の吉尾さんも「参加者の方が新しい人を連れてきたり、『○○さんは今日は休むから』と言ってきてくれたり、うまく装具をつけられない人にはお互いに手を貸したりしてかなりの部分を自分たちでやってくれています」と話してくださいました。毎週来ているというご婦人方が、「○○さんが来てないとか、入院したとか、ここで話したり、聞いたりする。週に1回、お互いの安否確認よね」と真面目な顔でおっしゃっていたように、高齢者のつながり作りへの貢献も大きいようです。もちろん、生協としても地域の状況がつかみやすいということや、配送センターがすぐ横にあるので生協の商品事業などへの理解が地域の中に自然に広がるという効果も感じていらっしゃるとのことでした。


さらに、下村さんは、「体操に来ている人の様子をみていて、体調や言動に『ちょっとふだんとちがうな』と思うようなことがあったら、地域高齢者支援センターに伝えることもある」とのこと。介護の専門知識を持つ職員さんが「いきいき百歳体操」のお世話を通じて地域の高齢者を見守ってくださっていると思うと、心強いものがありますね。また、介護事業の利用者に、「家の中でずっとすごすよりは・・・」と体操にお誘いすることもあるそうです。

 「いきいき百歳体操は介護予防のための体操ですが、介護が必要になってからも現在の体力を少しでも長く維持するための体操、ひいては介護保険の支出の削減という社会貢献につながるのではないでしょうか。」というおふたり。県庁生協の「いきいき百歳体操」は、「場所の提供」だけでなく、介護事業を持つ生協自身の特性と、関わる地域社会の特徴を十二分に生かした活動になっているからこそ、息の長い社会貢献になっているのではないかと感じました。

(S)

▲県庁生協の居宅介護支援事業所管理者の下村さん(右)と訪問介護事業所管理者の吉尾さん(左)
▲県庁生協の居宅介護支援事業所管理者の下村さん(右)と訪問介護事業所管理者の吉尾さん(左)