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▮ 2023年度の活動方針

 

 くらしをとりまく情勢 

3年続いた新型コロナウイルス禍の暮らしも、2023年度はアフターコロナ・ウイズコロナの暮らしが始まるとされています。この3年のコロナ禍の暮らしで経験したことをチカラに、協同組合の価値を地域に広げていきましょう。 高知県生協連は、くらしの協同を県民の中に広げることを理念とし、県内生協の連帯の場づくり、会員間の連絡と調整、情報伝達、広報・渉外の役割を果たし、会員生協とともに平和な社会づくりに参加していきます。2023年度は以下の様な情勢認識のもとに活動を進めます。

 

(1)核兵器のない世界・戦争のない世界を

 ロシア軍によるウクライナ侵攻から一年がすぎても、まだ戦争の終わりは見えてきていません。今年1月の国連の発表によると、ロシア軍のウクライナ侵攻によって始まった戦争による民間人の死者数は7000人を超えたとのことです。そして、今も連日双方の攻撃でお互いに被害者が出て、民間人が犠牲となり続けています。また、ウクライナ側には欧米から人を殺すための兵器の供与が続けられ、ロシア側からは戦争の拡大と「核兵器の使用を示唆」する発言をプーチン大統領が続けています。狂気としか思えないようなこんなことが、一年たった今でも続いている。これが「戦争」というコトなのだと思います。

昨年8月、 核不拡散防止条約(NPT)再検討会議が、新型コロナウイルスにより2年延期を挟み、7年ぶりにニューヨークの国連本部で開かれました。前回7年前のNPT再検討会議に続き、今回も最終合意文章が取りまとめることが出来ないまま閉会となり、「NPT体制への信頼が揺らぎ、世界の核軍縮がさらに停滞するのは避けられない事態」となりました。ロシアのウクライナ侵攻の中での核兵器使用の示唆に加え、NPT再検討会議の最終合意文章の不採択と、世界の平和は不安定な様相となってきています。

そんな中、日本は近隣諸国からの侵攻・攻撃の不安を理由に、安保3文書の改訂を閣議決定し、防衛費も5年で2倍にするなど、平和を脅かす動きが広がっています。世界に戦争拡大、核兵器使用の不安が広がっている時だからこそ、 世界で唯一の戦争被爆国である日本は、その経験を持つ特別な国として、平和外交を粘り強く続けていくことが求められていると思います。 

会員生協がそれぞれの歴史の中で、また高知県生協連もこれまでの歴史の中で、平和を願う取り組みを、核兵器廃絶を願う取り組みを進めてきています。今こそ平和を願う想いを行動にしていきましょう。声をあげていきましょう。

 

(2)SDGs(持続可能な開発目標)の浸透と、広がるサスティナブルな暮らし

脱炭素社会、SDGsの実現に向けて、世界は加速度的に動き出しています。世界的な自動車・バイクメーカーがガソリンエンジン車を搭載した自動車の製造をやめる計画を発表したり、日本中の各都道府県、各市町村も、SDGs行動宣言をするなど、世の中は脱炭素社会、SDGsに向けた動きを加速化しています。ここ高知県でも、2050年のカーボンニュートラル実現に向けて、具体的な取組の道筋を示すものとして、「高知県脱炭素社会推進アクションプラン」をつくり、第4期産業振興計画ver.3」の重点ポイントの1つとして、「SDGsの広がりによる持続可能な地域社会づくり」を掲げています。 私たちも、生活協同組合らしい、持続可能な社会をつくる取り組みを進めていきます。

 

(3)新型コロナウイルス感染症拡大が続く中で、新たなつながりが模索されている

今年も新型コロナウイルス禍の中での一年となりました。各会員生協でも新型コロナウイルスの感染状況が、事業や活動に大きな影響が出ました。特に、2022年下期の第6波、第7波は、高知県生協連の会員生協の職員・組合員にも多くの感染者がでて、事業活動にも大きな影響が出ました。国・高知県では、感染拡大が続いても昨年までの様な行動制限はしないこともあり、重症化する人は少なかったとはいえ、各会員生協対応に苦慮されていました。 地域ではリアルで集まる場や機会が減少し、孤立化など様々な問題点や課題も継続しており、会員生協の経営や活動にも大きく影響をしています。また一方で、各会員生協では、この3年の間にコロナのある暮らしを受け入れ、組合員さんとの新たなつながり方を模索し、新たな参加の仕方も生み出しています。

 

(4)続く原油価格の高騰と食料品の値上げが組合員の暮らしを圧迫しています。

昨年12月の物価上昇率が40年ぶりの上昇率となるなど、今まで経験したことのないような物価上昇が続いています。この間の食料品はじめ電気料金などの値上げにより、「家計負担は月1万円以上のUP」となっています。今年1月に行われた電気料金の値上げ時には、生活保護世帯や年金生活者の世帯からは「これだけ値上がりすると、暮らしていけない」「食べ物も減らし、エアコンもつけられない」との相談が、行政の窓口にたくさん寄せられていました。生活必需品の価格上昇に加えて、新型コロナウイルス禍で雇用状況は悪化し、実質賃金も伸びないコトも重なり、中間所得層以下の家計のエンゲル係数は上昇し、厳しい暮らしが続いています。厳しい暮らしの中で、「どうせ買うなら生協で」「生協で買いたい」そう思っていただけるような、生協の役立ちが問われています。

 

(5)南海トラフ地震などの自然災害への備え、防災・減災で組合員さんの命を守る

今年2月にはトルコで大きな地震があり、一万人以上の人が犠牲になっています。長い間地震がなかった地域で、住宅や建築物に耐震性もなく、地震への備えも十分でなかったことが被害を大きくしています。

高知県では、過去の南海トラフ地震や東日本大震災を教訓にして、「南海トラフ地震」への備えを、県民をあげて進めています。私たち生活協同組合も、企業・諸団体当が連携した、大規模災害を想定した訓練や、事業継続計画(BCP)の見直しを進めていくことで、防災・減災の取り組みを進めていき、組合員さんの命を守っていきます。

 

(6)人口減少・過疎高齢化が続く高知県の中で

高知県の推計人口は、2022年に68万人を切り、大正時代と同じ人口になりました。 人口減少のスピードは、このコロナ禍の中でさらに加速をしています。また少子化がさらに進行しています。こういった、地域の人口減少・過疎高齢化の中で、医療・福祉・食料品・生活を、協同のチカラで支えている、生活協同組合の役割は大きくなってきています。また、期待も大きくなってきています。生協「も」行政や他団体、地域の人と共に、よりよい暮らしを創っていくことが求められています。

 

(7)協同組合間連携、行政との連携が深まっています。

日本協同組合連携機構(JCA)を中心に、全国的に協同組合連携が進展し、高知県でも協同組合連絡会議こうちの場で、協同組合間連携が深まっています。また、労働者福祉協議会とのつながりで生まれた「こうち食支援ネット」の誕生、高知県との新型コロナウイルス感染症在宅療養者の生活物資支援の取り組みなど、新しいつながりも生まれています。協同することで、地域により良い暮らし、助け合いの輪が広がっていいます。

 

(●個別の重点課題について)

 

1.会員生協の組合員と消費者のくらしをめぐる課題について、会員生協の活動支援と、会員生協間で活動交流をすすめていきます。

 

(1)各会員生協がそれぞれ取り組んでいることを、月次報告や機関会議だけでなく広報等でも共有していきます。各会員生協同志がいいことは学びあい、組合員や地域の暮らしをめぐる課題に対し、会員生協同志が地域の中で協力できるような、場づくりや活動を、出来ることから取り組んでいきます。

(2)新型コロナウイルス感染症への対応について、今年度には対応基準の見直しがされますので、その状況を見て、会員生協への情報提供の仕方を変えていきます。

(3)全国的な運動課題について、日本生協連や他県連の情報を収集し、会員生協に情報提供し、共に取り組みを進めます。

(4)平和活動は、高知県生協連と会員生協で「2023ピースアクションinこうち実行委員会」を結成し、被爆ピアノ演奏を中心に、学校でのコンサートや会員生協での平和活動が広がるような取り組みを行います。

(5)くらしをめぐる課題についての学習会は、会員生協組合員さんの学びたいことを聞きながら計画していきます。また、開催方法については参加者を増やすという視点で、WEB開催やリアル開催との併催で実施します。

(6)生協役職員の業務力量アップや人づくりの支援の為に、レクレーション企画を開催します。

(7)会員生協の活動が活性化するように、助成金制度の案内と活用をすすめます。

 

 

2.大規模災害発生時に高知県生協連が役割発揮できるように、防災・減災の活動をすすめます。

 

(1)災害対策委員会を中心に、行政や他団体が開催する防災訓練や防災イベントに参加し、地域との連携を深めていきます。

(2)災害時対応のための連絡体制や対応マニュアルを整備し、災害対応訓練を行います。

①高知県生協連と、県連事務所のあるこうち生協、各会員生協との連携の再構築する為に、災害対応訓練を実施し、振り返りをし、見直しします。

②中四国地連での大規模災害訓練会に、高知県生協連としても参加します。

③災害時物資協定の窓口である高知県の窓口との定期的な懇談を行います。高知県・高知市が主催で行われている、災害対応訓練や防災イベントに積極的にかかわっていきます。

(3)会員生協とともに東日本大震災の復興支援活動を継続します。また、災害発生時には被害状況等の把握し、各会員生協に情報提供をしていきます。

 

3. 行政や地域の他団体との協力・連帯・連携強化をするために、地域や行政への積極的な働きかけを行うとともに、地域のネットワーク構築への協力などに取り組みます。

 

(1)会員生協とともに、行政や社会福祉協議会、地域のNPOなどの各団体と協力・連携して、共通課題での取り組みやイベントの開催をすすめます。引き続き、こうち食支援ネットとは理事の派遣・基幹会議の参加を通じて、連携を深めていきます。

(2)行政等による各種審議会や協議会に積極的に参加します。また、各自治体の設置する協議体へ高知県生協連や会員生協が参加できるように働きかけをします。

(3)県との意見交換会は、行政と県連・各会員生協との連携を深めることを目的にして実施します。

包括協定の締結についても検討していきます。

(4)高知県社会福祉協議会との「災害時における災害ボランティア活動支援に関する協定」締結に向けての準備を進めていきます。コロナ禍で準備が進んでいないので、今年は何か一つでも取り組みを進めます。

(5)高知大学の地域協働学部の活動を促進する「地域活動推進会議」の会員同士の交流や学生の受け入れなど、連携した取り組みについて検討し、実施します。コロナ禍で実施できていないので、今年は何か一つは取り組みを実施します。

(6)中四国生協・行政合同会議に出席し、他の地域から学ぶと共に、行政との信頼関係を深めます。

 

4.会員間の情報交流と行政や地域での県内生協の認知度を高めるための広報活動をすすめます。

 

(1)会員生協の事業活動や組合員活動の情報を、会員生協にも協力してもらい、組合員さんや職員の顔や想いが見えるカタチで集め発信していきます。 

(2)理事会での単協報告、月次報告資料、季刊広報誌やウェブサイトを通じて、生協活動の内外への広報に取り組みます。

(3)マスコミとの関係を密接にし、生協への理解を深めてもらう、生協活動を広く知っていただく取り組みをすすめます。

①高知県生協連の活動、会員生協の活動を積極的にマスコミへのリリースを行います。

②高知県内マスコミ各社に、会員生協の活動を知ってもらうコトを目的に、マスコミ懇談会を実施します。

 

 

5.高齢化や過疎化など、様々な地域の問題解決の為に、協同組合間の連帯を進めていきます。 

 

(1)協同組合間の連帯をさらに強めていきます。

①昨年スタートした協同組合間連携のフードドライブの取り組みを、今年度も実施します。

②「協同組合連絡会議こうち」の構成団体の一員として、高知県内の労働者協同組合の活動を支援していきます。 

③「協同組合デー高知県集会」「協同組合フェスタ」などの場を通じて、より協同組合の価値を地域に広げていきます。

④日本協同組合連携機構(JCA)から発信される、各都道府県の協同組合連携の取り組みに学び、高知県内での協同組合関連携強化を進めていきます。